2010年6月10日木曜日

先物規制と経済のゆくえ

 リーマン・ショック以来、下げ相場になると断続的に先物規制が入っている。今回のギリシャ危機でもドイツで空売り規制が実施された。さらに全上場株式の空売り規制を検討まで考えているようだが、果たして効果があるのだろうか? 

私の個人的な意見としては、効果は疑わしいと考える。
「空売り」とは価格が下がった時でも損失を被らないようにするリスク・ヘッジの機能であるはずである。これは先物という仕組みが無ければ通常実現できないと思われる。自動車にアクセルとブレーキがあるように、市場にも下り坂になったときに安全に止まることのできるブレーキの機能が必要だと考えるのは自然なことである。より正確には回生ブレーキかもしれないが。

また、価格が下がったというある種の不幸に乗じて金儲けをするのはけしからん。という意見も感情的にはわからなくも無い。しかし下がる要因を規制したからと言って、物事はそう思い通りに進むのだろうか?車の例えが続いて恐縮だが、車のスピードを出して欲しいからと言って、(実際にそのような状況は安全運転のの観点からよろしく無いが)車のブレーキを効かなくする、または効きにくくするとあなたは仕方なくアクセルを踏むだろうか?
しかも状況は先が見えないブラインド・コーナーである。先が上りだと信じてアクセルを踏んでくれるだろうか? 私なら、車から飛び降りるまではしないにしても、止まるまでアクセルを踏むことはしない。止まったら最後、そのような車には乗りたくない。

市場が今後どのような動きを見せるかは興味深いが、事はそれほど単純には行かないだろう。 

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