2010年12月10日金曜日

私が地球外生命体を信じる理由(その2)

前回の予告通り、私が地球外生命体を信じる理由を書きたいと思う。

ただし、これから書くことはかなり現実離れしたことで、頭がおかしい、または単なる捏造と思われるかもしれない。どう思うかは読む人の勝手なので関知しないが、紛れもない真実とだけ言っておきたい。

前回の事件を遡ることさらに10年、つまり今から40年も前のことである。
私がまだ、補助輪付きの自転車に乗っていた頃だから、5歳くらいのことだと思う。(即座に年がバレるが・・・・)

広島県広島市牛田早稲田(現在は東区)のとある住宅地に住んでいた私は、夕方まで自転車を乗り回し、そろそろ暗くなったので家の裏に回って自転車を片付けようとしていた。

家の裏は方角で言えば北側で、家と隣の家の塀の間が1メートルくらいしかなかった。周囲が暗くなっていたのでそこはいっそう暗く、ほとんど真っ暗だった。

自転車を押して家の西側から裏に回ったその時、真っ暗の家の裏の向こう側、つまり家の東側から何か異様な物がこちらを見ていたのに気がついた。

その異様なものは・・・いまでも網膜にはっきりと焼き付いているが・・・こちらを赤く光る眼でちらりと見て、目が合うとひどく慌てた様子でトコトコと逃げて行った。そして家の裏の隙間からすぐに見えなくなってしまった。

私は、「その異様な物」が宇宙人だと直感し、「うちゅうじんだ〜」と叫びながら家の中に逃げ込んだ。当然のことながら、それを聞いた母は呆れたような声で「ネコでも見たんじゃないの?」と言った。

普段嘘をついたこともなかった私は、人生で初めて人から信じてもらえないという経験をすることになり、ひどく傷ついた事を覚えている。

その後、私は家の裏をひどく怖がり、引っ越しするまで一度も家の裏には行かなかった。



さて、その宇宙人の特徴を少し詳しく書くと、

身長は5歳の私から見てもかなり小さかったので、5、60センチというところだろうか。全身が銀色に輝いており、薄暮の中、非常に目立つ状態だった。しかも半透明で向こう側が透けて見えていた。

いわゆるリトル・グレイと呼ばれる宇宙人となるのだろうが、私が見たものは身長が非常に低く、目はそれほど大きくなかった。さらに頭はとんがっており、ちょうどピグミンのような感じだった。



今でもあれはなんだったのだろうと思う。
時々人に話すこともあるが、大部分の人は信じていないようだ。もし、同じものを見たという人が入れば、是非コメントを残してほしい。


この経験から、私は宇宙人の存在を信じている。ひょっとしたら宇宙人ではない何かなのかもしれないが、不思議な経験だったことは間違いない。

2010年12月6日月曜日

私が地球外生命体を信じる理由(その1)

前回のエントリで管理人は「地球外知的生命体」を期待したが、
実際は「地球内異質生命体」だった。がっくり。

さて、前回の最後に書いた、「・・・地球外生命体については当ブログ管理人はひときわ大きな関心がある理由がある。」について約束通り書き留めておく。


今を遡ること30年以上、管理人が中学生の時のこと。当時、宇宙に興味があった管理人は親をなんとか説得し、小さな天体望遠鏡を買ってもらった。口径6センチの屈折式、経緯台に載っていた可愛いやつだった。

ちなみにそいつは現在もすぐ足元に転がっている。光学機器は恐るべき寿命を持っている・・・

望遠鏡を手に入れてまず一番見たのは「月」である。初心者は「月」を見るのである。(上級者はあまり見ない。そもそも月明かりの日には天体観測をしない。)

始めて天体望遠鏡で月を見たときの衝撃は大変なものだった。ものすごくゴツゴツしていて、肉眼で見るのと印象が全く違う。毎晩のように月を観察していた。

その晩も、いつものように月を観察していた。月齢はほぼ満月に近かったと思う。

月のなかでもひときわ明るい部分に小さなクレーターがある。気づけば、そのクレーター全体が青紫色に明るく輝き始めたではないか!

とっさに、近くにいた同級生の友人に、「なにか光っている!」と望遠鏡を見せたが、「どこ?」・・・「えーと明るいところの小さなクレーター」「わかんない」

と言っているうちに、もう一度望遠鏡をのぞいてみたら、その青白い光が、徐々に暗くなり、元のクレータに戻ってしまった。その間、1分程度だろうか。

この出来事から、当時は宇宙にはとても不思議なことがあるものだと、思ったものの、宇宙人とか、秘密基地とか考えはしなかった。クレーターが光ったのは月の自然現象のように当時は思っていた。

その後、インターネットが一般化した後、そういえばあのとき見たものはなんだったのだろうと調べてみると、そのクレーターは「アリスタルコス」というクレーターで発光現象が頻繁に報告されているとのことだった。

私は「やっぱりそうだ」と思い、いろいろ調べてみたが、調べれば調べるほど非常に腑に落ちないことがある。

頻繁に目撃されている割には、写真やビデオが全く存在していない。あれほど強く光っていれば、写真に取るのは難しくないはずだ。明るさの変化があるので、ビデオにとればはっきりと分かるはずだ。

何か公開されると都合が悪いことでもあるのだろうか・・・?

あまり深追いする気はないが、実はもう一つ書かなければならないことがある。

そのもうひとつは、私が「地球外知的生命体」信じずにはいられない理由である。詳細は後日書きたいと思う。





2010年12月2日木曜日

ついに地球外生命体発見の発表か!?

久しぶりに当ブログにふさわしい内容のニュースが入ってきた。
本日(日本時間12月3日午前4時)に、NASAから重大な発表があるとのアナウンスが流れた。

正確には・・・以下引用。

MEDIA ADVISORY : M10-167
NASA Sets News Conference on Astrobiology Discovery; Science Journal Has Embargoed Details Until 2 p.m. EST On Dec. 2
WASHINGTON -- NASA will hold a news conference at 2 p.m. EST on Thursday, Dec. 2, to discuss an astrobiology finding that will impact the search for evidence of extraterrestrial life. Astrobiology is the study of the origin, evolution, distribution and future of life in the universe.

The news conference will be held at the NASA Headquarters auditorium at 300 E St. SW, in Washington. It will be broadcast live on NASA Television and streamed on the agency's website at http://www.nasa.gov.

Participants are:
-     Mary Voytek, director, Astrobiology Program, NASA Headquarters, Washington
-     Felisa Wolfe-Simon, NASA astrobiology research fellow, U.S. Geological Survey, Menlo Park, Calif.
-     Pamela Conrad, astrobiologist, NASA's Goddard Space Flight Center, Greenbelt, Md.
-     Steven Benner, distinguished fellow, Foundation for Applied Molecular Evolution, Gainesville, Fla.
-     James Elser, professor, Arizona State University, Tempe

Media representatives may attend the conference or ask questions by phone or from participating NASA locations. To obtain dial-in information, journalists must send their name, affiliation and telephone number to Steve Cole at stephen.e.cole@nasa.gov or call 202-358-0918 by noon Dec. 2.

For NASA TV streaming video and downlink information, visit:


For more information about NASA astrobiology activities, visit:


- end -
とのこと 。
人類史上これほどワクワクする発表があるだろうか?
ただ、「地球外知的生命体」とまでは言及していないので、過大な期待はしないほうがいいだろう。

ここで、少し考察をしてみたい。
思えば、昨年も11月27日にオバマ大統領が地球外生命体についての発表をするとの噂が流れた。しかし、実際には何も発表されなかった。

ちょうど1年後の今、同じような発表をする意味は何であろうか?
もし、発表のタイミングを見計らっていたとしたら、何があるのだろうか?

12月上旬に発表しなければならない理由がある?
だとしたら地球の軌道の関係・・・太陽と地球の位置の関係が何かあるのだろうか?

とにかく明日の発表が待ち遠しい。

・・・地球外生命体については当ブログ管理人はひときわ大きな関心がある理由がある。
これについては明日の発表を待って改めて書きたいと思う。

2010年11月4日木曜日

米国特許 第7,777,777号が登録される

ハードディスクがクラッシュした。偶然にも前日にバックアップを取っていたので、被害はほぼなかった。ハードディスクバルク品を買い、PCをリストアして、久しぶりに記事を書くかと思い、そういえばそろそろ米国特許第7,777,777号が登録されるころだなと調べてみたらとっくに登録されていた。

System and method for active call monitoring

 Kevin Bowman et al

Patent number: 7777777


Filing date: Apr 28, 2003
Issue date: Aug 17, 2010
Application number: 10/424,310

A video call monitor manager creates a video call monitor engine for initiated video calls between plural video devices with the video call monitor engine having a monitoring thread for each video device of the video call, the monitor threads periodically polling their associated video devices...


Inventors: Kevin Bowman, James Lemieux


Assignee: Tandberg Telecom AS
Primary Examiner: Rasha S Al Aubaidi
Attorneys: Oblon, Spivak, McClelland, Maier & Neustadt, L.L.P.


テレビ会議などを手掛けるノルウェーのタンバーグテレコム社がこの歴史的な特許番号を手に入れたようだ。時代はネットワーク・コミュニケーションを必要としているということであろうか。

エネルギー関係だという私の予想は見事に外れたが、時代を反映しているといえば、たぶんそうであろう。

それにしても今年のUSPTOは特許をずいぶん甘く通しているようだ。例年より遥かにペースが早い。

不審に思って特許関係の知り合いに聞くと、権利化までに時間がかかり、しばしば「サブマリン特許」として不具合を起こすとして、各方面からUSPTOにクレームがあり、審査の基準の明確化とスピードアップを図る方向になったらしい。

さて、次に狙うべき番号はいくつか?8888888?だいぶ先だ。






2010年8月29日日曜日

プラズマテレビ HITACHI P42-XP05 の検証

前回の予告通り、プラズマテレビを購入した。
hitachiのWooo P42-XP05を100,880円でネットで購入。結論からいうと大満足である。

画質について
画質はとても綺麗で非常に良い。やはり動きがとてもなめらかで、コントラストの高い映像が得られているのがわかる。友人に聞いた話だが、液晶の2倍速、4倍速は確かにきれいだが、中間画像を予測して作っているので、時々計算が破綻することがあり、おかしなことになってしまうらしい。

例えばF1がシケインを通過するときのように、激しく動く方向が変わる場合は、予測が不可能だ。また、画面が切り替わってから少しの間は動きの予測ができず、少し残像感が出ることがある。

この点はプラズマは基本性能でカバーしているため、全く問題はない。

しかし、その他で気になったところもある。画質をおすすめの「スタンダード」にすると、かなり暗い感じがする。特に画面全体が白一色に近くなるとこの傾向が顕著だ。やはり消費電力を落とすため、いろいろ処理をしているのであろうか。

だたし、明るいモードに切り替えると違和感は全くないのだが、まぶしすぎるので「スタンダード」が最もいい感じだ。

全体としては、大成功と言える選択だったと思う。

ちなみに今回の買い物は楽天あたりだとこちら。
HITACHI P42-XP05
コーナーテレビ台 KODO

TVは価格.comだともっと安く、8月29日現在だと約¥97,878円くらいだ。

2010年8月1日日曜日

液晶かプラズマか

当ブログ管理人はやや変わり者を自認しているので、世間が一斉にある方向に向かっているとき、あえて逆の方向を向いてみたりする習性がある。

「地デジ」とか大キャンペーンをやられると、かえって、「なにか違うのでは?」と考えることが多い。そういうわけで、我が家のちょっと広めのリビングには未だにブラウン管テレビが鎮座している。しかし、最近さすがに不具合が目立ってきた。さらに、最近のテレビの安さ。そろそろ買い換えてもいいかな・・・と思わせるには十分に安くなってきている。

そこで大問題が発生する。液晶かプラズマか?という問題だ。数年前であればプラズマの消費電力の多さは圧倒的に不利であった。最近のエコブームも手伝って、プラズマディスプレイは絶滅寸前まで追いやられ、日系メーカーでは現在パナソニックのみがパネル製造メーカーとしてわずかに生き残っている。

しかし、最近状況が大きく変わってきた。低消費電力型プラズマディスプレイの登場である。最近のプラズマは下手な液晶より消費電力が小さくなってきている。
プラズマのおそらく最大の欠点が大きく改善されつつある。ここで液晶とプラズマとを当ブログ独自の観点でまとめてみると、


  • 液晶ディスプレイ
    • 応答性△
    • コントラスト△
    • 消費電力◯
    • 耐久性◯
    • 画面の強度×
    • 構造の単純さ×
  • プラズマディスプレイ
    • 応答性◯
    • コントラスト◯
    • 消費電力◯
    • 耐久性△
    • 画面の強度◯
    • 構造の単純さ◯
こうなると気になるのは耐久性である。個人的には液晶の耐久性が◯と言えるのかどうかはなんともいえないと思っている。なぜなら、液晶は構造が複雑であるので、どこが最初に壊れるのかは専門家でないとなかなかわからないだろう。

そこで例によって特許を調べてみた。まずは液晶ディスプレイから


【特許公開2008-34841】より引用
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)は、一般的に、携帯電話、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップモニタ、及びテレビジョンに使用される。LCDは、バックライトを必要とする。フルカラーのLCDには、バックライトは、白色光である。白色光の白色点は、一般的にLCD製造業者により指定され、様々な用途に対して異なる場合がある。白色点は、加熱黒体色温度として特定されている。
一般の白色光バックライトには、蛍光管、又は赤色、緑色、及び青色LEDの組合せのいずれかを使用する。
【0003】
TV及びモニタ用のような中型及び大型バックライトには、各色から成る多数のLEDが使用される。典型的には、単色のいくつかのLEDがプリント回路基板(PCB)上に直列に接続される。一般的に、バックライトには、外部電流ドライバが使用され、各ドライバは、赤色、緑色、又は青色LEDの1つ又はそれよりも多くの列を駆動する。LEDを通る電流量は、輝度を制御する。RGBのLEDの群は、一般的に、単一のPCB上に取り付けられ、大型LCDでは多数のPCBがある場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LCDスクリーン全体にわたって色の均一性を有することが重要である。これは、一般的に、各LEDをその特性に応じて「種分け」し、次に、白色点が厳密に適合した基板だけが単一のバックライトに使用されるように、PCB上に種分けされた赤色、緑色、及び青色LEDを組み合わせることにより達成されてきた。均一な光特性を有する基板を作る工程は高価で多大の時間を必要とする。その上、PCB内部及びPCB間の変動は、完全には抑制されていない。
【0005】
色の均一性に対して更に障害になるものとして、LEDの輝度が時間の経過に伴って変化し、かつ全てのLEDが同じ量だけ変化するとは限らないことがある。従って、初期の色均一性が良いバックライトは、時間の経過に伴い次第に不均一になってくる。別の問題は、直列内のLEDが故障して開回路になると、直列の全LEDは電力の受電を停止することになることである。これは、付加的な不均一性をもたらす。
巷で大流行のLED液晶は相当難しそうな課題を抱えているようである。液晶自体の寿命が長くてもバックライトが長期間安定した性能を発揮し続けるとは限らないようである。こうなると自発光のプラズマは問題は単純である。

【特許公開2010-102836】より引用
本発明は表示デバイスとして知られるプラズマディスプレイパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、双方向情報端末として大画面、壁掛けテレビへの期待が高まっており、そのための表示デバイスとして、液晶表示パネル、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの数多くのものがある。これらの表示デバイスの中でもプラズマディスプレイパネル(以下、PDPとする)は、自発光型で美しい画像表示ができ、大画面化が容易であるなどの理由から、視認性に優れた薄型表示デバイスとして注目されており、高精細化および大画面化に向けた開発が進められている。
【0003】
PDPは表示電極、誘電体層、MgOによる保護層などの構成物を形成した前面板と、電極、隔壁、絶縁体層、蛍光体層などの構成物を形成した背面板とを、内部にR・G・Bそれぞれの微小な放電セル(以下、単にセルとする)を形成するように対向配置されるとともに、周囲を封着部材により封止されている。そして、そのセルにネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などを混合してなる放電ガスを例えば66500Pa(約500Torr)程度の圧力で封入している。
【0004】
元来PDPは自発光型であるため各セルは非常に高い視野角を有するが、高精細化・大画面化に伴い全領域で均一なパネル特性が求められるため、材料物性・構造形成プロセスに対して対策が様々に施される。例えば、放電空間並びに蛍光体形状を定義して、同箇所に2回の塗布プロセスを用いてその構造を実現する方法を見出し、視野角の変化に対して蛍光体からの均一な発光を得る方法等が開示されている。
【0005】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【特許文献1】特開2000-208057号公報
【特許文献2】特開2006-040794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで近年の環境問題への関心の高揚に伴い、構成成分に実質的に鉛を含まない技術が開発されている。PDPの背面板の絶縁体層に関しても、これまで鉛を構成成分に含む材料が用いられてきたが、近年は実質的に鉛を含まない材料に代替する技術が確立されてきている。
【0007】
しかし、鉛を含まない絶縁体層を用いた場合、PDPを点灯させる時間が長引くにつれ放電のために必要な電圧が徐々に高くなり、ついには回路で設定された電圧では点灯できないという状態になるという課題が生じることが明らかになった。この現象はPDPの寿命を決定するものであるため、この課題を解決することは、PDPの寿命を延ばすという意味で極めて重要である。

なるほど、プラズマディスプレイの寿命を決めているのは、鉛フリーの絶縁体層が関係しているらしい。意外なところが寿命を決めているようである。

さて、結論はどうであろうか?当ブログではなんとなくお分かりとは思うがプラズマディスプレイに軍配を上げたい。上記の特許を比較してもどちらが有利とは結論づけられないが、液晶ディスプレイに必ずしも圧倒的な優位性がなさそうである以上、それほど有利ではないはずだ。なにより同一機能で比較した場合の安さは魅力である。この休み中にでも購入して確かめてみたい。もちろん、寿命までは確かめられないが。

2010年7月19日月曜日

環境問題と経済と太陽活動の関係

環境問題と経済と太陽活動・・・一見3つがどうつながるのか?という組み合わせだが、ひとりの人物を通じてつながっている。
ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズ・・・19世紀のイギリスの経済学者である。


まず「環境問題と経済」に関するものが「ジェボンズのパラドクス」である。
これは簡単にいうとエネルギー効率の良いものを開発しても、売上が伸びてかえってエネルギー消費の絶対値は増えてしまうというものだ。これは日本の製造業には耳が痛い話だろう。実際、家電製品にしろ、自動車にしろ燃費はよくなっているが、全体のエネルギー消費量は大きく伸びている。これは日本が「原単位方式」という相対値での省エネルギー目標を掲げていることでもわかる。本当に省エネルギーを実現したいのなら、EUなどの絶対値で規制値を設定すべきであろう。


次の「経済と太陽活動」はジェボンズが1876年に、科学雑誌『ネイチャー』に発表した「商業恐慌と太陽黒点」という論文である。
これも簡単にいうと太陽黒点活動が活発なときは景気がよく、逆に停滞しているときは景気も低迷するというもの。実際、景気に関しては100年に一度の不景気と言われているが、太陽活動も100年に一度かそれ以上の異常事態が訪れている。(関連記事リンク・・・太陽活動が百年ぶりの活動極小期か

ジェボンズの言うことはどうも2つとも当たっているように思われるが、これらの問題が今後どうなってゆくのか非常に興味深い。

当ブログの解釈は大変な変化が起こるが、これはむしろ人類にとっては機能しなくなってきている古いシステムからの脱却を図る良い機会になるのではないかと考えている。

例えば、経済危機とやらで残業がなくなって世のお父さん方は家族と触れ合う機会が増えたはずだ。これは社会にとっては良い変化だと思うのだが。これを良い変化だと思えないのなら、おそらく人類の将来は暗いだろう。

2010年7月10日土曜日

最新の宇宙論とパラレル・ワールド

パラレル・ワールドとはSF好きでなくても、一度は考えてみたことがある話だろう。しかし、多くの人の反応は現実には決してありえない話として受け止めるだろう。特に、理科系の人間には到底受け入れられる話ではない。

しかし、最新の宇宙論ではこの荒唐無稽とも思えるパラレル・ワールドを肯定するような議論がいくつか真剣に行われている。

ここで本題に入る前に、21世紀を迎え、科学技術は成熟期を迎え、もはやすべてを知り尽くしたがゆえに大きな改善の余地が望めなくなったかのような閉塞感が漂っているが、当ブログではそれを明確に否定したい。

例えば、我々は宇宙にある物質とエネルギー(両者は量的に等価なものとして扱える。)をどのくらい知り得たのだろうか?・・・最近の観測結果によると我々が知っている「物質」は全宇宙のわずか4%に過ぎず、残りはダーク・エネルギー、ダーク・マターであるということが分かってきている。つまり我々は宇宙の(ある意味)たった4%しか(宇宙の果ての小さな岩石型惑星の上にかすかに生息する生命体にしては上出来だが)知り得ていないのである。

つまり、われわれはやっと、宇宙について何も知らないという「無知の知」を認識するに至ったばかりなのである。したがって、人類が繰り出し売る叡智も、宇宙の広がりと同じく無尽蔵に残されているはずである。

さて、パラレル・ワールドの話に戻るが、最近の宇宙論ではいくつかの可能性が取り上げられている。

アレキサンダー・ビレンキン「無からの宇宙創成」という論文では、インフレーション宇宙の中に無数の子宇宙がそれぞれに無数のインフレーションを続けており、我々が観測可能な領域は子宇宙の中の光が届く範囲に過ぎないという。なんともスケールの大きな話だが、宇宙の始まりはあるが、終わりはない。インフレーションは無限に続き、やがて観測可能な範囲の密度は下がってゆく。このモデルでは、他の宇宙の情報を得ることはできないため、その存在の証拠を得ることはできない。

もう一つ、ブレーン宇宙論ではさらに分かりやすい解釈として5次元以上の高次元時空に複数の宇宙が存在するというものである。

パラレル・ワールドが受け入れられにくいことの一つとして、他の宇宙の観測が不可能だということがある。観測ができなければ想像の範疇を出ることはないから、議論しても空しいばかりである。しかし、このモデルが興味深いのは他の宇宙を光で見ることはできないが、重力波は他の宇宙へと伝わることができるというのだ。つまり、パラレル・ワールドの情報を何らかの形で受け取ることが出来るというのだ。

隣の宇宙で激しい重力が発生したら、地球は地震に見舞われるのだろうか?あるいは隣の宇宙と衝突したら・・・となりの宇宙からのメッセージは出来れば、穏やかなものであることを期待したい。

2010年6月29日火曜日

フリーエネルギーと人類の未来

フリーエネルギーとは、一般に熱力学の法則を無視した永久機関なようなものと捉えられているが、ほとんどのものは低レベルのインチキであると考えて間違いない。
例えば、水を水素と酸素に分解して水素から燃料電池で電気を取り出し、出てくるのがまた水でいくらでもエネルギーを取り出せるとか、磁石を組み合わせると永久機関が作れるとか、基本的に熱力学の第2法則を超えるものが出来たと言われれば、それは99.999%嘘であると考える。

100%としないのは熱力学第2法則自体があくまで経験則であるからであり、また人類は宇宙のすべてを理解しているわけではないからである。しかし、現在この地球上で人類がアクセス出来る技術体系内・・・つまり工学的な意味においては熱力学第2法則は確立された理論であると考えて良いだろう。

話は本題に戻るが、フリーエネルギーとは何だろうか?NETで調べると概ね永久機関と等しい意味で使われているが、当ブログではこのように定義したい。
  1. 必要な時に自由に使えるエネルギー。
  2. 十分な量をいくらでも使えるエネルギー。
  3. 利用コストが実質的に無視できる。

このように考えると、原子力エネルギーはかなり近いが、2.量的にいくらでも使えるという部分がかなり怪しい上、3.の利用コストは極めて高い。地熱利用などは3.の項目さえクリアできれば、将来フリーエネルギーとして使える可能性があるかもしれない。しかし、もっとも現実的なのは一見同意できなさそうだが、太陽エネルギーだろう。地球を閉じた系と考えると熱力学第2法則から言っていずれ濃縮されたエネルギーや資源は底をつき、劣化してゆくが、地球は宇宙から見れば閉じた系ではなく、別の天体から放射されるエネルギー・・・身近な例では太陽エネルギーを利用することが出来る。太陽が持っているエネルギーは明らかに有限だが、人類が使う分には無限と言ってよいだろう。

しかし、3.の利用コストはさておき、1.の「必要な時に自由に使えるエネルギー」の要件を満たしていないと誰しもが思うだろう。そこで2次電池が・・というとあまりにありきたりな議論になってしまうので、あえて別の角度から実現性を考えてみると、地球の表と裏で太陽光発電し、直流送電などのロスの少ない送電方法で送電網を結んでしまえば1.の要件をクリアできそうである。しかし技術的に出来たとしても、地球の表と裏ではどうしても2つの国をまたぐ形になってしまい、国家間の利害が絡み実現性は難しそうである。

また、衛星軌道上や月面で発電して何らかの無線送電で地球に送るという方法が考えられる。経済危機のさなか、各国が月面開発などを宇宙開発を計画しているのは宇宙のロマンを追求するのではなく、超長期的なエネルギー戦略が裏にはあると考えられる。しかしこちらは簡単に兵器として転用できそうであるため、国家間の安全保障の観点から前に進めるのは困難が予想される。

さらにもう一つ大きな問題がある。現時点で最も問題なのがビジネスとしての成立性である。フリーエネルギーなるものの宿命として、自由にいくらでもとなると必然的にエネルギー単価は分母が無限である以上、限りなく0に近くならざるを得ない。そんなものを誰が研究開発するのか?また、そんなものができてしまうと産業界に困る人がたくさん出そうである。つまり現状の資本主義の枠組みの中ではフリーエネルギーは出てきてもらっては困るのである。

さらに、実際に今人類がフリーエネルギー手に入れたとしたらどうなるだろうか?いくらでもエネルギーが使えるわけであるからなるべく価値の高いものを分別なくいくらでも製造しようとするだろう。例えば海水中の金の精錬だとか、自然を大規模に破壊して高価な資源を取り出すことに全力を挙げるだろう。その結末が人類にとって無残なものとなるのは火を見るより明らかだ。

つまり人類がフリーエネルギーを手に入れるためには、テクノロジーの進歩以前に社会的な意味で、以下の点で変わらなければならないだろう。
  • 現状の経済のしくみ・・資本主義とお金のあり方を改める。
  • 競争原理と他者に対する好戦的な態度を改める。
という2つの要件をクリアする必要があるだろう。最近の資本主義の動揺は、人類がより良く生きるシステムを構築するために必然的に起きた試練なのかもしれない。

2010年6月23日水曜日

米国特許 第7,777,777号は誰の手に?

当ブログ以外で誰も注目していないと思われるが、おそらく今年年末に米国特許は記念すべき第7,777,777号に到達する。ちなみに第7,000,000号は2006年にDu Pontが取得している。ユーモアのわかる米国企業らしくHonme Page上で話題にしている。当時のUSPTOの公式Press Releaseには、それまでの節目の特許の内容を紹介している。



Patent Assigned to DuPont for Novel Fibers
WASHINGTON, D.C. – The Department of Commerce’s United States Patent and Trademark Office (USPTO) today issued patent No. 7 million to DuPont senior researcher John P. O’Brien for “polysaccharide fibers” and a process for their production. The fibers have cotton-like properties, are biodegradable and are useful in textile applications.

It took 75 years to get from patent No.1 to patent 1 million. It has taken less than one tenth of that time to go from 6 million to 7 million patents. 

  • Patent No. 1 million was issued on August 8, 1911, for a tubeless vehicle tire.

  • Twenty-four years later, on April 30, 1935, patent No. 2 million issued for a vehicle wheel to increase the safety and longevity of pneumatic tires.

  • Patent No. 3 million issued 26 years later on September 12, 1961, to an inventor at the General Electric Co., for an automated system that translated letters, numbers and symbols to data processing code.

  • Patent No. 4 million issued 15 years later on December 28, 1976 for a process for recycling asphalt aggregate compositions.

  • Fifteen years later, on March 19, 1991, Patent No. 5 million issued to a University of Florida inventor, for a more efficient way to produce fuel ethanol.

  • Only eight years later, patent No. 6 million issued on December 7, 1999, to 3Com Corporation’s Palm Computing for its HotSync® technology.

  • And now just a little more than six years later, patent No. 7 million issues.

  • Patent No. 1 was issued in 1836. Earlier patents were not numbered, although the first U.S. patent was issued in 1790. Approximately 10,000 patents were issued between 1790 and 1836. The USPTO issued 151,079 utility patents in fiscal year 2005. 

    どれも時代を色濃く反映した特許ばかりである。当ブログの計算によると、現在一日460件の特許が登録されており、このペースで行くと今年2010年10月27日あたりに米国特許始まって以来のラッキーナンバー7,777,777に到達する。

    さて、どのような特許がこの幸運を得るのであろうか、当ブログの大胆予想ではgoogle社のエネルギーの利用に関するものと予想しておく。これほどのラッキーナンバーであるから、この特許が人類の幸運な未来を切り開いていくものと期待したい。

    2010年6月19日土曜日

    知られざるブラックホール・テクノロジー

    LHC(大型ハドロン衝突型加速器)が稼働しているが、当初ブラックホールが生成してしまうのではないかという話題があった。ついに人類はブラックホールを作り出すことができるのであろうか?

    地球が吸い込まれる?・・・心配ない。ブラックホールといえども、質量が同じなら発生する引力は通常の物質と同じである。ホコリほどの質量のブラックホールを作り出すことが出来たとしても(おそらく、それでも十分に不可能なほど大きいと思われるが)発生する質量はホコリと同一である。ホコリを吸い込んだことがある人は多いと思うが、ホコリの引力に吸い込まれていった人はいないと思われる。

    それはさておき、今回は人類がいつの日かブラックホールを自由に使いこなせるようになった時のためにその有意義な利用法について考察してみる。

    以下のような利用法が考えられている(参考文献1.)。

    1.ブラックホールゴミ箱
    これほど実現性がなさそうな割に大したことはない利用法もないのだが、何でも底なしに吸い込んでしまうという特性を利用したものである。ひょっとしたら放射性廃棄物のような処理しきれないものを処理するには便利かもしれないが、リサイクルができなくなるという難点がある。
    しかし、ブラックホールがあまりにも小さいと、吸い込む速度が非常にゆっくりになってしまう。ブラックホールは底なしではあるが、入口の大きさは有限である。ゴミ箱として有効な物を作るには相当な質量のものを作る必要がある。よって、リビングの片隅に便利なアイテムとして登場するのは期待しない方がいいだろう。

    2.ブラックホール灯
    ブラックホールに物質を落とすと、吸い込みきれない物質はエネルギーとして吐き出される。その際、ブラックホール周辺の物質が光り輝く。ただし、ガンマ線などを放射されても、明るくならない上に健康にも良くないと思われる。リビングに使うランプとしては、今のところ電球型蛍光灯が良さそうだ。

    3.ブラックホールエンジン
    これはかなり実用性が高そうだ。ブラックホールから出るジェットを推進力として使うアイディアである。しかも一度建造してしまえば、心臓部のブラックホールのメンテナンスは必要ない。それどころか、人類が滅亡してもなおジェットを吹き続けそうである。ただし、危険極まりないブラックホールをどのように保持するか、高速で吹き出すジェットをどのように制御するか、この辺がこの技術の肝になりそうだ。「風の谷のナウシカ」に出てくる滅亡した過去の高度な文明が使用していたエンジンはこのような物なのかもしれない。

    4.ブラックホール発電所
    これはなかなか技術の規模とニーズの大きさのバランスがとれたアイディアである。こちらも建造してしまえばいくらでもエネルギーを取り出せそうだ。厳密には「フリーエネルギー」ではないが実質的にそう考えても良いかもしれない。参考文献1.の福江純氏によると
    4000万トン級のブラックホール発電所が、出力2300憶Wと見積もられている。ただし、3兆度もの温度になるようだが・・・。

    5.ブラックホールウエポン
    ブラックホールの潮汐力を利用した武器である。しかし、当ブログではこれはあまり実現性が無いのではと考えている(これまで紹介したものすべて実現性はなさそうだが)。理由は人類が今のように好戦的であり続ける限り、テクノロジーの進歩は人類の生存を脅かす方向にしか使われないと思われるからである。つまり、ブラックホールウェポンが製造されるような高度なテクノロジーを手に入れることが出来る前に、人類は自らの手で滅亡してしまうだろう。よって、ブラックホールウェポンは決して製造されることはないだろう。

    当ブログのイチオシのアイテムは何か・・・個人的には1.のブラックホールゴミ箱である。
    実現に必要な技術の高度さと、使おうとするニーズの低レベルさのアンバランスが素敵である。

    参考文献
    1.ブラックホール宇宙  福江 純  サイエンス・アイ新書

    2010年6月12日土曜日

    LED電球の知られざる真実

    今回は今注目のLED電球について知られざる一面について考えてみたい。


    ずばり、LED電球は買いか?・・・結論から言うとNOである。
    技術的にはまだ未完成であるというのが当ブログの結論である。


    LED技術の最新の技術動向をバイアスなしに調べる方法があれば、そこにLEDの課題が見えてくるはずだ。
    世の中の記事というものは多かれ少なかれバイアスが入っている。メーカー発表の資料は本当の問題を決して語りはしないし、何らかのメディアもスポンサーの関係を無視した記事を書きにくいからだ。


    しかし、最新の技術動向は企業によって厳重に機密保持されているかといえば、むしろ逆で、積極的に公開されている。それは、特許という制度があるためである。
    通常の研究開発はこのような順番で進められる。
    1. 研究開発(アイディア)
    2. 特許出願
    3. 商品開発
    4. 論文発表
    5. 商品化
    つまりアイディアが出た時点で我先にと特許出願をしてしまう。さもなければ競争相手が同じアイディアを出願してしまうかもしれないからである。
    そして、出願から1年半後に公開される(日本の場合)。
    よって、最先端の研究成果のわずか1年半後には世界中の人に向けて公開される。よほど単純な技術でない限り、この時点(1年半後)ではまだ商品化されていない。
    つまり、私たちは誰でも、これから商品化されるかもしれない最新の研究成果を見ることが出来る。


    話は戻るがLED電球についてこのような特許が出願されている。
    この特許は LED電球について非常にわかりやすく説明してくれている。
    特開2007-5549
    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、白色発光LEDランプに関する。
    【背景技術】
    【0002】
    現在、白色を発光させられる白色発光LEDランプには主に三種類ある。一つ目は、青色LEDを、青色励起で黄色光を発光する黄色発光蛍光体を含む透明樹脂で覆ったもの(特許文献1参照)、又は、青色LEDを、青色励起で緑色光を発光する緑色発光蛍光体と青色励起で赤色光を発光する赤色発光蛍光体を含む透明樹脂で覆ったランプパッケージであり、青色LEDからの青色光とこれにより励起した黄色発光蛍光体からの黄色光とを混合、あるいは青色LEDからの青色光とこれにより励起した、緑色発光蛍光体からの緑色光および赤色発光蛍光体からの赤色光とを混合することにより、白色光とするものがある。
    【0003】
    二つ目は、紫外線LEDを、紫外線励起で青色光を発光する青色発光蛍光体と紫外線励起で緑色光を発光する緑色発光蛍光体と紫外線励起で赤色光を発光する赤色発光蛍光体とを含む透明樹脂で覆ったランプパッケージであり、青色LEDからの紫外線で励起した、青色発光蛍光体からの青色光、緑色発光蛍光体からの緑色光および赤色発光蛍光体からの赤色光を混合することにより、白色光を得るものである(特許文献2参照)。
    【0004】
    三つ目は、パッケージ内に青、赤、緑それぞれに対応する3つのLEDチップを搭載して樹脂封止したランプであり、各色のLEDを同時発光させ、混色し白色とするものがある(特許文献2参照)。
    【特許文献1】特開2004−55772号公報(図8)
    【特許文献2】特開2001−111114号公報
    簡単にまとめると
    白色を発光させられる白色発光LEDランプには主に三種類ある。
    1. 青色LED+蛍光体
    2. 紫外LED+蛍光体
    3. 3色LED
    そして、課題としてはこのように書いてある。
    【発明が解決しようとする課題】
    【0005】
    しかし、上述した3タイプの白色発光LEDランプのうち、赤色発光蛍光体を使用するものに関しては、現在、赤色を発光する蛍光体で青色や紫外線を赤色に変換する変換効率の高いものが実用化されていない為、照明として使用した場合、赤色の色再現が不十分である。また、青色LEDの発光と黄色発光蛍光体の発光とによって白色を作り出しているものでも、赤色成分がほとんど含まれていないため、照明に適用する場合に赤色の再現が非常に低い。
    【0006】
    さらに、青、赤、緑の3色のLEDチップを使用する場合は、各色のLEDが優れた単色性ピークを有するために、色むらが生じやすいという問題があるとともに、3つのLEDそれぞれに電源回路が必要になるのでコストが高くなるといった問題もある。
    つまり、照明用として使うには色の再現性が低いと言うことである。現在は1の青色+蛍光体のLEDが主流である。この方式は赤の再現性が低い。赤色の再現性と言うのは人間にとって非常に重要であると考える。女性が口紅を塗るのは赤色の印象が特に際立っているからだと考えられる。よって、照明という用途を考えたとき、非常に重要なポイントをクリアしていないというのが当ブログの結論である。


    ちなみに上記の特許は2005年出願であるからすでに技術が進歩して解決した可能性がある。
    そこで違う特許を調べてみた。
    特開2010-092993 
    光源としてLEDを用いた照明装置においては、青色LED、緑色LED及び赤色LEDの3種類の異なる発光色のLEDを用い、これらのLED夫々の発光強度を制御することにより、電球色~昼光色の範囲に亘って照明光の色温度を自在に変化させることが可能となる。図11は、照明光の色温度が5000Kになるように青色LED、緑色LED及び赤色LEDを点灯したときの分光分布を示す図である。なお、図11の横軸は波長(nm)を、縦軸は相対強度を夫々示している。図11に示すように、これら3種類のLEDからの光の重ね合せにより得られる照明光には、580nm近傍の波長領域のスペクトルが殆ど存在しない。これは、青色LED、緑色LED及び赤色LEDが、優れた単色性を有している、即ち発光スペクトルの半値幅が白熱電球又は蛍光灯と比較して狭いためである。この結果、黄色~橙色の物を正しい色で見ることができず、演色性が良くないという問題がある。なお、演色性は、色の見え方に及ぼす光源の性質であり、演色性が良いほど、物の色が自然な感じに見えることになる。
    従来の技術例のスペクトル分布
    本来は連続したなだらかなカーブになるのが理想である。
    これでは物の色が正確に見えるとは思えない。
    この発明の実施例によるスペクトル分布
    上の例よりかなりよくなっているが、
    非常にピーキーな山が残っている。


    つまり、2010年に公開されたこの特許でも、演色性・・・色の見え方の問題は解決されていないようである。しかもこの特許の方式は3色混合法式である。これは先述の特許ではコストが高くなると書いてある。お金をかけてこの現状でLED電球にどのようなメリットを見いだせるのであろうか?・・・電球型蛍光灯に対して明らかに勝っているのは、

    • 寿命
    • レスポンス

    くらいと思われる。トイレ用?私なら白熱電球を使う。

    2010年6月10日木曜日

    先物規制と経済のゆくえ

     リーマン・ショック以来、下げ相場になると断続的に先物規制が入っている。今回のギリシャ危機でもドイツで空売り規制が実施された。さらに全上場株式の空売り規制を検討まで考えているようだが、果たして効果があるのだろうか? 

    私の個人的な意見としては、効果は疑わしいと考える。
    「空売り」とは価格が下がった時でも損失を被らないようにするリスク・ヘッジの機能であるはずである。これは先物という仕組みが無ければ通常実現できないと思われる。自動車にアクセルとブレーキがあるように、市場にも下り坂になったときに安全に止まることのできるブレーキの機能が必要だと考えるのは自然なことである。より正確には回生ブレーキかもしれないが。

    また、価格が下がったというある種の不幸に乗じて金儲けをするのはけしからん。という意見も感情的にはわからなくも無い。しかし下がる要因を規制したからと言って、物事はそう思い通りに進むのだろうか?車の例えが続いて恐縮だが、車のスピードを出して欲しいからと言って、(実際にそのような状況は安全運転のの観点からよろしく無いが)車のブレーキを効かなくする、または効きにくくするとあなたは仕方なくアクセルを踏むだろうか?
    しかも状況は先が見えないブラインド・コーナーである。先が上りだと信じてアクセルを踏んでくれるだろうか? 私なら、車から飛び降りるまではしないにしても、止まるまでアクセルを踏むことはしない。止まったら最後、そのような車には乗りたくない。

    市場が今後どのような動きを見せるかは興味深いが、事はそれほど単純には行かないだろう。 

    2010年6月7日月曜日

    地球温暖化の誰も指摘しない最悪のシナリオ

    地球温暖化に関して、いろいろ議論されているが、一つ可能性として、重要なことを誰も指摘していないような気がする。

    昨年太陽活動が百年ぶりの活動極小期かというニュースが話題になった。このことは経済活動とも関連があるとの説があり、大変興味深いが、このことで「温暖化懐疑論」がやや勢いをましてきたように思われる。
    しかしこれは変である。なぜなら太陽活動が極小の時は過去には寒冷な気候となっている。現実は暖かくなっているのだからやはり太陽活動では説明できないのではないか?
    この辺はさておき、温暖化の人間活動主因説と太陽活動主因説が対立の構図を見せており、人間活動主因説は温暖化肯定論を、太陽活動主因説は温暖化懐疑論を唱える傾向があるようである。

    しかし純粋な可能性として「どちらも正しい」ということはないだろうか?
    つまり人間活動と太陽活動も同じくらい「主因」でありその2つが綱引きををして、たまたま人間活動がほんのわずかだけ上回り、現在の気候変動を生んでいる・・・・少なくともこの説では太陽活動が極小になっていることの矛盾はない。

    ここで私が恐れるのはその綱引きの度合である。子供同士の綱引きであれば、どちらかが手を緩めてもたいしたことにはならない。これが、横綱同士の綱引きだったとしたら、片方が手を緩めると、とんでもない力で綱は引かれることになる。つまり、人間活動がそのままで太陽活動の低下が収束したら、とてつもない勢いで温暖化が進むのではないか?さらに言えば、太陽活動が逆に活発化したら・・・? 

    こう考えると人間活動主因説など楽観的なシナリオの一つであり、想定されるリスクを過小評価している可能性がある。人がリスクに備えるとき、「最悪のシナリオ」まで想定し、備えるからこそ楽観的に行動出来るのではないか? あなたが自動車保険に入るとき、対人補償額が1000万円と、無制限ではどちらが安心して車を運転できるだろうか?

    もっとも、無制限に温暖化を食い止める方法を考えるのは容易ではないが・・・。

    レオナルド・ダ・ヴィンチ的発想法

    レオナルド・ダ・ヴィンチはなぜ、今から500年以上も前、数々の発見や発明を成し遂げることが出来たのだろうか。今回はレオナルド・ダ・ヴィンチの発想法について考察してみたい。


    レオナルドのアイディアを記した手記が残されている。レオナルド・ダ・ヴィンチ手稿と呼ばれるものである。

    レオナルド・ダ・ヴィンチ手稿(レオナルド・ダ・ヴィンチしゅこう)は、レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci, 1452年 4月15日 - 1519年 5月2日)が、約40年間にわたり書き綴ったノートのこと。書き残した全手稿のうち約3分の2が失われ、現存するのは約5000ページと言われている。 ―wikiediaより引用

    しかし彼の仮説であるアイディアスケッチはほとんど実現しなかった。それらのエンジニアリングデザインが原理的に間違っていたのではなく、発明に対する最初のアイディアスケッチであった上に、レオナルド自身の多くの発明は、実現のための技術的可能性が何世紀も早すぎたのであった。 
    美的設計方法論 高梨 隆雄 ダヴィッド社より引用

    この文を見てはっとさせられるのは私だけではないと思う。アイディアの実現のための可能性を証明できなければ、通常はそのブロジェクトは凍結である。今で言えば「仕分け」されてしまうのである。
    しかし、この章のもっとも重要なのは、設計(デザイン)のワークフローについてである。通常は、

    1. 現製品(具体)
    2. 設計与条件・・・要求スペックなど(抽象) 
    3. 設計条件・・・製造条件など(抽象)
    4. 設計解・・・設計図(具体)
    5. 新製品(具体)

    というワークフローで新製品の開発は行われる。しかし、レオナルドは設計与条件から厳密には製造条件などを考慮しない設計解を出してしまう。これがレオナルド手稿に当たる。これはおそらく「ひらめき」によるもので、設計与条件は満たしているがそれ以上に未知な要素を含み、新しい魅力や発明的要素がここに入ってくるものと思われる。だからこそ、実用化の500年も前にアイディアを出すことが出来たのである。
    しかし、当然のことながら、その時点の製造条件を加味してしまうと通常は「ボツ」となってしまう。これこそが現代の閉塞感を生んでいる原因ではなかろうか。

    複雑高度化した現代の商品開発の現場ではワークフローの管理はプロジェクトリーダーの頭の中では不可能で、ソフトウェアなどのツールを使って管理されている。もはや人間を管理するのはコンピュータなどの機械になってしまっている。チャップリンの「モダン・タイムズ」そのものである。 レオナルドは天才であったには違いないが、我々普通の人間であっても、本来高い創造性を備えており、それを潰しているのはこのような現代の仕組みにあるのではないだろうか。


    参考文献
    美的設計方法論 高梨 隆雄 ダヴィッド社

    2010年6月5日土曜日

    悪魔の日程管理法

    完璧に日程をこなす秘密の手法がある。

    実際以前この手法で数年間プロジェクトを進めていた。
    常に完璧に予定をこなすことができ、遅れた試しがなく、
    いつも余裕で、残業も皆無。
    完璧な手法である。

    その手法とは・・・・
    例えば、週報で1週間ので業務を管理している場合、
    今週の予定に先週の実績を書く。
    先週の実績としては先々週の実績を書けば良い。

    今週の予定はすでに終わった事なので、完璧に実行できる(すでに実行している)。
    それでは今週はなにをすればよいか?
    ・・来週の予定となるべきことに手をつけ始めれば良い。
    これは本当の意味で予定なので上手くいかないこともあるし、
    やってみて期待はずれのこともあるので、なるべく多く手を付ける必要がある。

    なんだかずるいようであるが、実態は物事が1週間前倒しされているだけなので通常実害はないはず。
    なにより物事が予定通りに進まないことの言い訳やフォローをしなくていよい。
    この言い訳やフォローに通常多大な労力がかかるため、結果として非常に効率がよくなる。

    ただし、すでにお分かりとは思うがこの手法が使える条件がある。
    ある程度仕事を任されていて、細かく管理されていない場合である。
    また、チームで仕事をする場合はチーム全体でこの手法を使う必要がある。チームメンバーのなかにはこのやり方が気にくわない人間もいるかも知れないので、通常は使えない。

    かくいう私も会社が非常に管理過剰になってきて、この手法が使えなくなった。
    現在は日々日程に追われ、言い訳の毎日・・・・・・。

    2010年6月4日金曜日

    PDCAが回らない

    以前会社で講習を受けたとき、目から鱗だったので書いておく。PDCAというTQMでよく出てくる手法(?)。
    きっと日本中の会社でQC活動などで使われているはず。でも、多くがうまく行っていないらしい。その原因というのは・・・

    目標 算数のテスト高得点取得

    • P-plan・・・毎日算数ドリルを10分間勉強する。
    • D-do・・・毎日算数ドリルを10分間実行。
    • C-check・・・算数ドリルの何を間違えたか確認。主に割り算が苦手であると判明。
    • A-action・・・割り算を毎日10分間練習する。

    これではPDCAは回りません。。とのこと。

    間違いはC-checkで Planの効果を確認するということ。具体的には算数ドリル10分間の時間の勉強で算数のテストが高得点とれたかということを確認するのです。とれていなければ、Planをより効果が上がりそうな物に変更する。取れていれば効果のあるプランなので仕組みとして定着させる。ということ。
    上の例ではこの部分ができなくなっている。確かに思い起こせば私も間違った例をやっていたような・・・

    2010年6月3日木曜日

    サボタージュ・マニュアル日本語版

    第二次世界大戦中の1944年に米国のOSS(戦略諜報局)が作成した「サボタージュ・マニュアル」が存在し、現在公開されている。原文はamazonの洋書コーナーで買うこともできる。アメリカと言うのはとても面白い国だ。

    さて、このマニュアルは何のために作られたか。それは、敵地で仕事の進みを遅らせるように人々をトレーニングするためらしい。つまりこのマニュアルにあるようなことをなるべく避けていれば、仕事の進みが早くなるはず。「組織と会議」の部分はいろんなところに日本語訳紹介されているが、私が気になったのはこの部分。誰も訳してくれないのでここに。

    マネージャーとスーパーバイザ

    1. 常に文書による指示を要求せよ。
    2. 誤解を招きやすい指示を出せ。意思統一のために長時間議論せよ。さらに、出来る限り不備を指摘せよ。
    3. 準備を十分行い、完全に準備ができているまで実行に移すな。
    4. 在庫がなくなるまで、注文をさせるな。
    5. 高性能の道具を要求せよ。道具が悪ければ良い結果が得られないと警告せよ。
    6. 常に些細な仕事からとりかかれ。重要な仕事は後回しにせよ。
    7. 些細なことにも高い完成度を要求せよ。わずかな間違いも繰り返し修正させ、小さな間違いも見つけ出せ。
    8. 材料が適切な場所に送られない工程とせよ。
    9. 新人を訓練する際は、不完全でいい加減な指示を与えよ。
    10. 能力に見合わない不釣合な昇進を行い、有能な者は冷遇せよ。
    11. 重要な決定を行う際には会議を開け。
    12. もっともらしく、ペーパーワークを増大させよ。
    13. 通達書類の発行や支払いなどに関係する決済手続きを多重化せよ。すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな。
    14. すべての規則を隅々まで厳格に適用せよ。

    あまりに自分の組織に当てはまるので、諜報部員の存在を疑うほどだ。

    参考文献
    The Simple Sabotage Manual: Timeless Managerial Wisdom from the Intelligence Community

    はじめに

    20世紀は発見の時代だった。
    科学技術や政治や経済システム・・難問は次々と解決され、
    人類は明るい未来に向けて歩んでいるはずであった。

    しかし、新しい千年紀―2000年代を迎え、
    政治は混迷を極め、経済システムは動揺し、
    疫病は蔓延し、ひどい犯罪は後を絶たない。


    我々は一体どこへ向かっているのだろうか?
    20世紀に見落としてきたものがあるのではないか?

    そんな undiscovery な話題を中心にお届けする。